クリックポストは今は使えなくなったけど、スマートレターというのがあるのを知った。ただ、これは厚さが2センチ(クリックポストは3センチ)。今日、このスマートレターを郵便局にもっていったが、2センチを超えているといわれて、使えなかった。本の暑さは2センチなのだが、スマートレターに入れると2センチを超えてしまうのだ。はやく、クリックポストを復活させたい。
今日は、オイル交換とタイヤ交換をした。もう道路が凍結することはないだろう。車屋さんの女主人さんの姿がなかった。他の知らないおじさんが事務室に座っていた。奥さん、どうしたのだろう。なにかあったのだろうか。高齢者は、いつ、どうなるかわからないので、余計な心配をする。
松下竜一「明神の小さな海岸にて」を読了。これもいい。ただ、前作「暗闇の思想を」を読んだ後の方がわかりやすい。
九州電力が火電発電所を建設するために明神海岸を埋め立てることになり、それを阻止する実力行使、座り込みの闘いの記録。松下の大親友、梶原得三郎氏他2人はは石ころを海に放り込む船に乗り込み、3人は逮捕され、拘留される。
松下は、自分は「記録作家」だと言っていたが、なんの、ただのノンフィクションではない。ノンフィクション作家がこの経過を書けば、ただの闘争記録となり、読みたい本ではなくなる。松下はやはり文学者であり、構成もプロットも考えられ、人間描写も自然描写も印象的だ。特に、今回は、拘留された梶原得三郎の奥さんや娘、家族についてもふれ、松下竜一と親友の妻との長い問答も興味深い。
当時は反公害運動が全国にあったけど、その運動をこれほど文学的に記録した本はないのではないか。
今、反公害運動がどうなっているのか知らない。反原発運動がどうなっているのかも知らない。
勢いはなくなっているのは確かだろう。海に汚染水を流しても、大きな反対運動がおきているとは聞かない。
それは、松下竜一が闘っていた時代も変わらない。いつだって、困難な運動なのだ。
昔、20年ほど前だったか、車で九州旅行をしたことがある。その時、中津にも寄った。福沢諭吉旧居を訪ねるのが目的だったけど、ここに松下竜一がいたことは思いつかなかった。残念。今、松下の「豆腐屋」の建物はすでに壊されているらしい。中津に、松下竜一のなにか記念館か記念碑などあるのだろうか。今でもやっぱり、九州電力にはむかった「過激派」として知らん顔されているのだろうか。